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ゴールデン・タイム

陸上競技の棒高跳び。
初期は木製、その後長らく竹製のポールが使用されていたが
近年はファイバー製が大半となっている。

しなやかかつ適度な強度のある素材が登場する度に
記録が伸びているといっても過言ではない。
棒高跳びの世界記録は、ほぼ全てが1990年代以降に記録されたものである。

道具の進化が記録の進化となるというのは
棒高跳びに限った話ではない。

水泳では、ボディースーツのようなデザインの
英スピード社の水着が日本国内の公式戦で使用できた
08~10年初頭までの2年間に次々と記録が更新されてしまい
記録を同一視できない状態になってしまっている。

もちろんトレーニング法の進化もあるだろう。
スポーツ界に長らく根付いてきた根性主義は
メンタル面はさておき体力面での強化には効果が薄い。
時代が進めば進むほど、アスリートたちは
人間の肉体の限界に近付くことができる可能性が
大きくなっているといってもいい。

などと、わずかでもスポーツをかじった人間にとっては
あまりに今更かつ当たり前すぎる主張をぶったわけだが、

少なくとも陸上競技の世界においては
「昔の選手がいまの道具を使ったらもっといい記録が出るはずだ」
という意見はまず出ない。
理由は簡単、絶対に結論が出ないうえ
いちいち言い出したらきりがないからである。

さて、今回ネタにする本は
『サムライたちのプロ野球』(文春文庫 著:青田昇)
著者の青田昇は、1940~50年代に本塁打王を5度も獲得した
かつての大打者である。

内容は94年にハードカバーで書籍化されたもので、
「いま」といってももう17年も昔のことなのだが、
これがまたものすごい。

『いまの選手には個性がない』
これはある程度頷けるのだが、

『いまの選手はスピードもパワーもない』
青田本人も若手時代は100mを11秒8で走ったが
戦前の巨人ではそれより早い11秒台前半の選手が複数おり、
最速は広瀬習一投手(1944年没)の10秒5だったという。
また、遠投でも115mを投げる選手が「ゴロゴロいた」。

冒頭からこんな感じなので、
ボチボチ突っ込みを入れようかと思っていたのだが、
頭から尻尾までこの調子はまったく崩れないので
そんな毒気は失せてしまう。

『秋山登(大洋)・稲尾(西鉄)・杉浦(南海)の三人が
 いまのプロ野球に入ってきたら一人25勝から30勝は楽にする』


300ページ以上かつての名選手たちのエピソードが語られる中で
お褒めの言葉をいただいた(当時の)現役選手は
落合・松井秀(読売)、伊藤智(ヤクルト)、佐々木(横浜)の4人だけ。

といっても落合は年俸3億8000万(※当時)を引き合いに出され
プロ黎明期に活躍したエース兼4番の選手を
「5億円の価値あり」といわれ、
松井秀が褒められたのもバッティング時にグラブをしないという点のみ。
「現在の巨人の選手に、ロッテのユニホーム着せて、
 千葉マリーン(※原文ママ)で試合させてみい。はたしてお客が集まるか」
という一文があるように、あくまで一応持ち上げたという程度。
伊藤智もルーキー時のスライダーは絶賛されたが、
その後故障で2年間登板できなかったため
「いやはや、何とも申し上げようがない現代風景である」
と身体の弱さを嘆かれておしまい。
結局、何も突っ込まれなかったのは佐々木のフォーク(の握り)。
しかも杉下(中日)・村山(阪神)とふたつの項で名選手と
肩を並べる扱いをされているのであった。

歴史に残る一流選手たちの豪放さを物語るエピソードの数々は
痛快ではあるが、その一方で彼らを持ち上げるため
ことごとく「いま」を貶める名調子がなんともいえない。

なお、最後に取り上げられているのは長嶋茂雄。
最後の項の小見出しは
『長嶋は“育てる”名監督だ』

ナイスなオチであった。
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