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日本人の持ち家願望と景色の問題。

日本人は持ち家が欲しい人、欲しく無い人、色々居ますが、近年では色々な価値観の方が増えましたが、それでも古来より有る持ち家思想「一国一城の主」への憧れは今でも根強く、残っているし、それを当て込んで35年ローンなど無茶な物が組まれて、ローンを払う頃には住めなくなる低品質な建売が売られていく。

それ以前に高度経済成長時代でもないのに、住宅ローンというシステム自体問題が無理がありすぎる訳で、それに対しては前にも書いた訳ですが、何で日本人がそんなに持ち家に執着するのか?

持ち家の方が長い目で見ると経済的に得とか損とか、そういう理論もありますが、それでは説明できないくらいに人々は持ち家を求める。

私が思うに民俗学で有名な柳田國男の言う所の日本人が国を意識する場合最初に出てくるのは郷土愛というのがその発端だと思うわけです。

この郷土愛、郷土愛といっても郷土全体というか、一番中心と成るのは「故郷の景色」への愛です。日本人にとって日本人としての愛国心のバックボーンと成っているものは郷土の景色を守る、良くすると言うものな訳で。

戦時中の日本兵は本土の景色、其処に住む人々、其処に建つ自分の家を守る為に、戦っていたわけです。これがイギリス人なら階級が、アメリカ人であればアメリカの理念が、中国人であれば血族の思想が、愛国心の柱に成って行く訳で、その民族、国によってその生まれる根源は変わり、同じ愛国心といっても、国によってその愛は違う訳で。

例えば、夫婦が10人いれば同じ夫婦愛といってもその内容は全然違いますね。金銭的に繋がりが発展した夫婦関係もあれば、恋人関係の延長もあり、若しくは家同士の決めた縁談もありますが、それでもその間に愛は生まれる事もあり、出発が違えば愛の形も変わるわけで。なので、最近の右派やネット右翼の喜ぶような愛国心というものは、あまりにもアメリカのネオリベ系の影響をうけまくってそれを昔の大日本帝国的なロジックで咀嚼して新しく作ったものにしか見えないので、ああいった人々の「愛国心」について議論されると、おいおい日本人独自の愛国心とちょっと違うんじゃないかって、思ってしまいます。例えるなら、老夫婦が平穏な夫婦愛をはぐくんでいる所に、AVを見せつけてこういう過激な性愛こそが夫婦愛です!といって強制させても意味無いと思うんですけどね。

まあ、私も結婚したら、かなりドキドキ、エロエロな夫婦関係がいいなと思いますがね。それは二人の問題であって、他人からこういう夫婦愛をはぐくめ!と強制されて言い訳は無いわけです。

で、話を戻しますが、さっきも説明したとおり、日本人にとって、愛国心というか、その根源に成る日本人としての帰属意識を維持している部分が故郷の景色な訳です。かなり牧歌的な感じですね。故郷を豊かにするため、昔のエリートな人は都会で立身出世して「故郷に錦をかざる」ということを目指した訳で。

しかし、今のエリートは都会で成功したらワザワザ田舎などに帰らずに都会でよろしくやりますが、それで皆、どうせ故郷への執着も少なく移動する事も多いし、収入の増減も予想出来ないこれからの世の中では、無理して賃貸よりリスクの多いローンを利用して家も買わなくていいじゃん!と思いそうですが、それでも持ち家への願望は消えるどころか強く成る一方というか、田舎から東京にやって来る人は、都会で家を買うんだ!という意気込みで登って来る人が大多数なのはどういう事でしょう?

私が思うにやっぱりそれも日本人の景色愛の問題があるのだと思うのです。どうしてか?日本人は景色を見て、この街の景色だぁ。この街の住人だ。という認識を通して間接的にこの国の国民だと自己を規定するわけです。

で、ここで大切なのは、より強く自己を規定する為にはどう景色の中の人間というだけでは事足りず、どうしても景色の一部を所有する事によって安定感を得ようとする傾向が日本人にはあると言う事です。つまりこの素晴らしい景色の一部を自分が所有しているという観念が人々のアイデンティティを規定するうえでとても重要な訳です。

これが海外だとどうかなとか考えると、海外の場合、イギリス人なら住む場所よりも階級が問題に成るので、城が、屋敷が良くても、階級が低いジェントルは馬鹿にされたという歴史もありますし、階級ごとに求める、逆に求められるステータスが変わってゆきます。中国であれば何処に住んでいるかよりも、血族かどうかが大切なので、故郷に錦を飾る必要はなく、出世したら自分の親戚を中心に豊かにするように援助します。別に土地も広いので何処に住まなきゃ駄目とかは無いみたいです。

こんな感じで、特殊な日本人ですが、色々な所で、日本人の景色の所有という概念は現れていると思います。なんせグーグルマップとかの航空写真機能を初めて使った時、普通自分の家のある所の写真を探してきて、ココがウチかぁ。とか見てしまって、見つかるとほっとしますよね。そう言うのって、昔からあると思います。町とかが時々何かの調査で取る航空写真が公民館に飾られると必死で自分の家を探したり、高台に登って自分の家が見えそうな範囲ならまずそれを必死に探すし、新しい地図帳を買った時とかも、まずは自分の家がどのへんかなとか気に成って、縮尺が大きくて乗って無いのが解ってても、この辺かなって記を付けたり。

そういう無垢な景色や土地への強い関心と、帰属したいと言う意識が日本人はとりわけ強く、持ち家を求める訳です。そういう意味で、私の周りでも地方出身の友人の方が断然将来家を持ちたいと言う気持が強いように感じます。地方においてもコミュニティーが崩壊している場所が多いのにこういう傾向が無くならないのは、地方には独特の地形や街並みが残っている場合が多いので、地方出身者は景色への帰属意識が強くなるのだと思います。反対に東京都民も割かし、どう考えてもお買い得で無い億ションとかを平気で買うのは、この街の素晴らしい夜景を自分は一部でも所有しているという事で帰属意識を得たいからなのかもしれません。

逆に、私が感じるに、ベットタウン出身者は其処まで強迫観念として持ち家思想を持っていないように思います。何故ならベットタウンなどの計画都市はどこもだいたい景色が同じで、田舎の特殊な風景や、都会の高層ビルのように、唯一無二と言えるような景色は存在しないわけです。そんな何処にでもある風景では帰属意識を支える礎には成りにくいからなのかもしれません。

まあ、別に日本人が持ち家を求める理由はこういった景色の問題だけでは無いのかもしれませんが、この辺りの思想がかなり深く日本人の住活の行動理由に成っているのではないかと思わなくもないです。
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テーマ : 日本文化
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