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『BAMBOO BLADE』 「大人になる」ということ

 ご無沙汰してます、善浪です。
 最近はホラ、モンハンの新しいのが出るわけじゃないですか。
 で、その前に小説書いとかないとこれ、モンハンやりながら書くのはほぼ不可能なわけで、じゃあ今のうちにいそいでやっとかなくちゃってわけで、しこしこと書いていたわけです、ええ。

 で、まあそんな中でこのブログ書いてますんでちょっとざっくりした感じになっちゃうのはもう仕方ないんでそういう目で見てあげて下さい、お願いします。

BAMBOO BLADE  14 (ヤングガンガンコミックス)BAMBOO BLADE 14 (ヤングガンガンコミックス)
(2010/11/25)
土塚 理弘

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 今回はこちら、『バンブー・ブレード』です。
 直訳で「竹刀」。剣道漫画ですね。
 何年か前にアニメにもなったので知ってる方も多いかと思います。
 これがこのたび見事に完結を迎えまして、そのラストにいたく感動したのでここに感想を書こうと思った次第です。

 『バンブー・ブレード』は室江高校というどこにでもある高校の剣道部が舞台の剣道漫画です。
 しかもメインは女子。女子剣道部漫画。
 最初、僕はこの作品、女の子がいっぱい出てきてキャッキャッウフフする、まあ萌え漫画だと思って敬遠してたんです。絵柄もそんな感じだったので。
 でも、少し読み進めてそれが浅はかな偏見であったことがわかりました。この漫画、実はかなり真面目に「大人って何か」ということを語っている。

 主人公は室江高校で剣道部の顧問をやっている石田虎侍(コジロー)先生。
 特に目標もなくダラダラと部活をやっていたのですが、とある理由で剣道部を強くしなければならなくなります。(「とある理由」はすごく下らないです)
 そんな時現れたのが一年生の川添珠姫(タマちゃん)。タマちゃんは実家が剣道の道場なので、一年生にして既に全国トップクラスの実力を持っています。
 物語では、この二人と周囲の人たちが剣道を通して成長する姿が主に描かれます。

 物語が始まった当初、コジロー先生は、一言で言うなら「ダメな大人」でした。
 金はない、甲斐性はない、責任感も、将来のビジョンもない、毎日毎日を適当に楽しく、楽に生きていこうと思っている、まあちょっと見習いたくないタイプの大人でした。

 タマちゃんは、よくわからない子でした。
 剣道は強いんだけど、それは単に実家が道場で昔から剣道をやってただけで、特別剣道が好きなわけじゃないのです。口下手で、他人と接するのが苦手で、趣味はアニメ・特撮という、ちょっと変わった子、それがタマちゃんでした。

 その二人が、剣道を知ることによって変わっていきます。
 具体的には「大人」になっていく。
 詳しいことは読んでもらうとして、この過程が実に丁寧に、さり気なく、感動的なのです。
 
 では「大人」って何か?
 
 劇中、ライバル校の顧問として林先生という年配の教師が登場します。
 林先生は教士七段。自身も確かな実力を持つ彼は、たるみ切ってやる気のない部員にもスパルタで接し、結果彼の部では剣道を辞める者が相次いでいました。
 けれど、林先生は「自分のやり方を変える気は無い」と言い切ります。

「これからもどんどん部員が減っていくくらい厳しくいかせてもらいますよ
 …たとえつらくて一週間でやめてしまったとしても…
 その一週間が一生にきっと役立つように…

 格好いいですね! 僕は格好いいと思います。
 林先生は間違いなく「大人」です。何故か。
 それは彼が、自分の存在は他人の人生からさらに他人の人生への「繋ぎ」だと自覚しているからです。 

 自分が今持っているものは、誰かから受け継いだものです。自分の独創だと思っているものでも、そこに至るためには先人たちから受け取ったものを自分なりに加工しなければならない。
 人間はそうやって自分を作り上げます。しかしただ「自分である」だけでは、それはまだ「子供」なのです。
 自分が今まで受け取ったもの、何十年をかけて作り上げてきた自分を、(自分に何かを伝えてくれた誰かのように)誰かに伝えることを自覚的に選んだ時、彼は大人になるのです。
 その時、彼は自分が「個」であることを度外視している。 
 大きな流れの中で、自分に何かを伝えてくれた人と、これから自分が何かを伝える者との間の、橋渡しに過ぎなくなる。
 「過ぎなくなる」というと、自己が全く消滅するように聞こえますがそうではなく、「自己」というものを、もっと大きなものとして捉えるようになる、ということです。
 
 この漫画では「剣道の到達点」とは「伝える力」なのだ、と言います。
 それは師匠から弟子へと、教士から生徒へと、先輩から後輩へと、友から友へと、ライバルからライバルへと、伝えられるものであり、より多くのものを剣道を通して伝えられる=「強い」ということであります。
 だから自分を高めることと誰かに何かを伝えることは不可分であり、自分の人生を誰かの為の橋渡しとして使うことができる人間こそ「大人」であり、真に「強い」者なのです。
 これはちょっと凡百のスポ根漫画にはない。

 この漫画、あまり熱血って感じではありません。汗臭さはないし(剣道というスポーツに宿命的に尽き纏う「臭さ」は強調されますが)、剣道に命を懸けるってノリはない。大会で優勝するかどうかってことも、実はどうでもいい。
 この物語は、コジローとタマちゃんが最初より少しだけ「大人」になる話なのです。 
 すなわち、自分の使命が(文字通り「命の使い道」が)、「剣道を通じて誰かに何かを伝えることである」と自覚する話なのです。
 誰かから受け継いだ何かを、他の誰かに与える。与えられた誰かは、それを別の誰かに、(どういう形ででも)伝えていく。それの繰り返しが、人間の営みです。誰もが、本当はその営みの中の「繋ぎ」なのです。

 とまあ、ちょっと壮大な話になりましたが、僕はこの漫画の雰囲気自体が結構好きだったりします。
 シリアスなシーンになってもギャグでさらりとかわしてしまうところとか、キャラクターも一人一人に好感が持てます。
 おススメです。
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テーマ : 漫画の感想
ジャンル : アニメ・コミック

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