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ロボットに心は宿り得るか

 はい、どうも一週間開きましたが善浪です。
 
 今回はコチラのご紹介。

 
正義警官モンジュ 1 (サンデーGXコミックス)正義警官モンジュ 1 (サンデーGXコミックス)
(2005/09)
宮下 裕樹

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 増加する凶悪犯罪に対抗するため警視庁が開発した対犯罪用汎用平気ロボット・モンジュ。
 ロールアウト直後こそ華々しい成果を上げたモンジュであったが、システムに致命的な不具合があることが判明。不祥事(暴走事件)も起こしてしまい、地方の交番に左遷させられてしまう。
 エリート街道から突然の左遷にクサるモンジュ。しかしスケベでアホな山岸巡査やマッドサイエンティスト神谷と出会い、街の住人達との交流を経て、次第に本当に大事なことを知っていく、というストーリーです。
 現在11巻まで出ています。

 基本的に馬鹿げたテンションのアクション・コメディなのですが、要所要所でじんわりくるエピソードもあり、僕はぶっちゃけ泣きそうになりましたね。ええ。
 
 さて、劇中、度々「ロボットが心を持ち得るか」という問題が提起されます。
 モンジュは超高性能なAIを積んでおり、「あたかも心があるかのように」振舞うようプログラムされています(でも結構マヌケですが)。
 それを「単なるプログラム」だと言ってしまえばそれまでですが、音声付のエロ本自販機に恋をし、子供たちに馬鹿にされてしゅんとし、「愛」についてオーバーヒート寸前まで懊悩するモンジュに「心がない」などとは、次第に誰も言いださなくなります。

 そもそも「心」とは何でしょうか?
 心理学的にいえばそれは「仮説構成概念」です。
 「心」というものが存在していると証明した事例はないのだけれど、取り敢えず「ある」と仮定してみると上手いこと説明がつく、ということです。
 心があるかないかはわからないけどあるということにしておこうぜ、というのが心理学的なスタンスです。
 つまり「ロボットに心があるわけないだろ!」と言ってる人もまた、自分に心があることを客観的に証明できなので、実のところ同じ穴のムジナなんですね。

 「心があること」と「あたかも心があるように振舞うこと」は、端から見る限り全く区別がつきません。
 別にロボットじゃなくても、私たちは他人に心があるかどうかもわからない。私たちが日ごろ触れ合っている人々は、もしかすると心なんかなくて、心があるように見せかけているだけのロボットである、と想像することは常に可能です。
 しかし私たちは通常そんなこと考えもしませんよね。こんな話をしたら鼻で笑うはずです。何故でしょうか。

 この問題について(というわけでもないのですが)キルケゴールという哲学者がこんなことを言っています。かの有名な『死に至る病』の冒頭です。

「人間は精神である。しかし、精神とは何であるか? 精神とは自己である。しかし、自己とは何であるか? 自己とは、ひとつの関係、その関係それ自身に関係する関係である。あるいは、その関係において、その関係がそれ自身に関係するということ、そのことである」(中公クラシックス『キルケゴール 死に至る病・現代の批判』桝田啓三郎訳)

 ちょっとややこしいですが簡潔に言うと、
 人間は精神である→精神とは自己である→自己とは関係である→もっと言うと関係がそれ自身に関係することである、となり、端折ると「人間は関係がそれ自身に関係する『こと』」ということになります。
 そう、人間は「こと」なのです。個物として厳然と存在しているわけではなく、その時々の関係によって姿かたちを変え得る「事実」なのです。

 ここで書かれている「精神」を「心」と同義であるとすると、ロボットに心があるかないかという問題もすんなり理解で来るような気がします。
 即ち、全く問題なく、ある。
 というより、何かと関係を持ち、その関係に動かされ、その関係から新たな関係を生み出す、という「こと」こそが「心」であり「自己」であり「人間」なので、モンジュは(キルケゴール的には)「人間」と呼んでも全く支障がない。
 要は彼と関係する者が彼に心があると思い(込み)さえすれば、彼は十二分に心をもっていると言えるのです。
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ジャンル : アニメ・コミック

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