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『政界の雄達』 第一話 その1

こんにちは萌兄です。

善浪が連載小説を書いているので、萌兄も書くですよ!と言う事で書いてみました。

最近政治が安定しないので、政治小説を書いてみました。



政界の雄達

「第一話、雄達の根城」

その1



もう十年以上も前に成る。僕等はあの頃、東京都文京区を本拠地とする、この国で最も優秀とされる大学の、そのまた一番優秀とされる法学を扱う学び舎で、毎日、暇さえあれば国のありようとは何か語っていたものだ。

その中でも彼の理想とそれを支える緻密な理論に基づいた行政思想には皆一目置いていたし、僕も彼の口癖である「国民をどう動かすかでは無く、彼等とどう歩むかが問題である」という言葉に、若者特有の憧れというか、人間的な好意を持っていたのは確かだ。

だから、彼が、特に学部内で優秀では無い僕に、いつの間にか色々教授してくれたり、供に食事をしてくれるように成った事は願ったりかなったりであったのも事実だ。

しかし、彼と供に居ない時の僕はと言えば、どちらかと言えば孤立していた。彼も含めてだが、殆どの学生は卒業後役人か司法免許を取って弁護士に成る事しか考えていなかった。一言に役人と言ってももちろん国家公務員、しかもその中でもエリートである経産省や外務省などの一部の役所以外に彼等は興味を持っていなかったし、彼等の親もだいたいが、そのような省庁の高級官僚か、医者や弁護士などであっから、彼等にとっては役人に成る事自体が、何か目的のある物では無くて、単に家業を継ぐような軽い考えで有った様に僕には見えた。

そして、僕はそんな彼等を軽蔑していた。彼等はこの国の人々の事に対して何らかの感情さえ持っていないのだ、彼等にとって国民は単なるライフラインに過ぎない。普通パトロンというものは、裕福な者が、貧しくても才能のある者に資金を提供するものだが、この国では、貧しい国民が、才能の出し惜しみしかしない役人に資金を提供するのだから、文法的に間違っているとしか考えられない。

僕はそんな間違った彼らが大嫌いだったし、この過ちを彼等の上に立ち、正してくれるはずと思える彼に更に期待し、二人で良く勉強をし、食事をし、問答をした。

ただ、そんな日々も何時までも続くわけではない。卒業が近づき、彼も含めて多くの学友は役所などに進む事が決定した。僕は元々役人として中から国を変えられるのか大きな不信感を持っていたし、その事を彼に話すと、彼は社会の為に働いている市民団体の代表者と僕を引き合わせてくれた。彼は「俺は国を良くするから、君は社会を良くしてくれ」と言った。僕は彼の言葉を胸に、卒業後はその市民団体で働く事しにた。

市民団体は、僕が入ってからネットや草の根運動を駆使して、ある程度の規模にまで成長し、支援者や賛同者も年々増え、その中には地方都市の市長や議員も多く協力してくれるまでに成った。そして、国を変える為にはやはり国政にも打って出るべきだと執行部会でもしきりに議論されるように成る。

其処で、我々は、新興の市民政党などと組み、候補を数人出す事にした。それまで僕は、執行部の秘書兼事務みたいな仕事をしていたが、市民団体の代表が、若くて学歴も有って、信用出来る君に是非とも立候補してほしいとせがまれ、あれよあれよという具合に立候補者として擁立され、それまでの政争の混乱や、増税の議論なども市民派には追い風に成り、運よく僕は当選し、国会議員の役職を手にしてしまった。

正直驚きと、不安は隠せなかったが、心の底では、これで彼との約束を成就できるのではと僕は楽しみに成った。僕が政治で社会を、彼が官僚として行政を供に協力し改革出来れば、きっと今より素敵な国に成るはずだという確信がその時には有った。そう、その時には確実にそれは僕の心の中に存在したのだ・・・



国会議事堂に入場するのは小学生の時の遠足以来だ。しかし今の僕はここに観光で来ている訳ではない。ここには仕事をしに来ているのだ。

議場に入ると、テレビで良く見る政界の有名人がウヨウヨしている。最近のテレビは画質が良いから特にテレビで観る顔と殆ど印象は変わらないし、議場の雰囲気も、何となくテレビで観るように冷めているというか、出来レースというか、元々議論をして何か決めようと言う覇気は全く感じられなかった。

良くも悪くも想像道理だ。あまりのも自然な腐敗は違和感さえ感じさせない。腐っている事に気付が付かずに、食品を食べたら次の日は腹を下すだろう。それが今のこの国の現状なのだ。病気であっても、危機であっても、貧困であっても、其れに気付いて、認識なければ対処することさえできない。

しかし、ここに長く居座る多くの議員が、既にこの腐敗にどっぷり浸かり、何が病巣で有るのかさえ気付けずに淡々と会議場で時間を潰している。彼等は何か意見が有るわけでは無いし、思想も有るわけではない。人格を取り除いた上での、純粋な政党の「一票」という駒でしか無いのである。

本会議が始まってからも全てがテレビで観た物と同じ様だった。棒読みの総理の初心表明演説、これまた御約束のヤジ、スキャンダルに対しての問答による議論の中断、それさえ全てがまるで用意されているかのように、台本道理に進んでいる。まあ、殆どの議論は少人数の委員会と、官僚の方で決めてしまっているのだから、ここは形骸化した政治ショーの会場でしか無いのである。

まるで違和感の無い議場。発言権の無い一般の一年生議員である僕には何もする事が出来ないのか?せめて観察をして糸口を探したいが、しかし、全てがテレビで観る物と何ら変わらないのだ・・・いや、一つだけ違う所が有る。本当にかすかな違和感。テレビに映らない所にある違和感。

総理が、大臣がやたらと、ある人々の近くに行くと嬉しそうなのだ。初め大物議員の近くに行くと自分を良く見せようとしてテンションが上がるのかなと思っていたが、良く観察するとそうではないようだ。良く顔も知らない人の前で彼等は嬉しそうにするというか、挙動が落ち着かないのだ。テレビであまり見ない、移らない人々の前で、彼等はまるで中高生の様にもじもじしている。中には目が有っただけで顔を紅潮させる者さえいる。

そうかと思うと、逆に顔が蒼く成る大臣、苦虫をつぶしたような顔をする人もいる。あまりにも極端すぎるのだ。全てが台本通りのこの会議場で、彼らの近くで議員達は台本に無いアドリブをするのだ。いや、強制的に反応せずには居られない状態を彼等は作っているのだろうか?

彼等・・・つまり高級官僚が、議論のアドバイスの為に、会議場に居る事は至って普通の事だ。なのに大臣達は彼等の前で平静を装えない。これには何か重大な秘密が隠されているはずだ。



続く
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ジャンル : 小説・文学

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